調理師免許取得後、目指す資格について

食に関する資格として、一般的なのは調理師免許ですが、さらに上のステップがあるとい
うことをご存知でしたか? 調理師資格の上位資格を取得することで、自分の能力が高く評
価され、普段よりもハイレベルな仕事を任せてもらえるようになる可能性があります。今
回は、調理師免許取得後に目指す資格について紹介しましょう。
ワンランク上の調理師免許「専門調理師」、「調理技能士」
日本の食文化や国民の食生活を向上させるためには、調理師のレベルアップが必要と考え
られ、昭和57年に「調理技術技能評価試験」が設立されました。これに合格した人は、厚
生労働大臣から「専門調理師」と「調理技能士」の国家資格が与えられ、調理師学校で教
員を務めることができるのです。調理師より長い期間の実務経験が必要な上に、難易度が
高い試験内容のため、資格取得者はハイレベルな調理師として認められることになります
。
調理技術評価試験を受験するためには、調理師免許を取得してから3年以上、調理に携わ
ってから8年以上の実務経験が必要です。実技試験と学科試験があり、実技は7割以上、学
科は5割以上が合格ラインとなっています。また、実技試験は前期と後期に分かれており
、前期試験は寿司料理、中国料理、給食用特殊料理の内から1つを選択。後期は日本料理、
西洋料理、麺料理の内から1つを選択することになります。
調理師を取得したら受験資格が得られる「ふぐ調理師」
専門資格がないと調理できないことで有名なものとしては、「ふぐ」が挙げられます。ふ
ぐを調理するためには「ふぐ調理師」の資格が必要で、調理師免許を取得していることが
受験資格に入っています。食品衛生やふぐに関する知識などが問われる学科試験と、ふぐ
を安全に料理するための実技試験があり、どちらも合格することで、ふぐ調理師の資格を
取得できます。
また、ふぐ調理師は都道府県によって、資格の呼び名および試験内容が異なります。これ
からふぐ調理師を目指す人は、自分の住んでいる都道府県におけるふぐ調理師の受験方法
を確認してから、資格取得を目指すようにしましょう。地域によってはふぐ調理師の資格
が不要な場合もあります。
大前提である「調理師免許」は必ず取得しよう
上記の資格を取得するためには、前提として「調理師免許」を取得する必要があります。
調理師免許は、調理に携わる人が基本的な知識や技術を身に着けている証となる資格です
。基礎力をしっかり学ぶことが、専門性を高めるための登竜門になっており、調理に関す
る正しい理解や基本となる技術力が求められているのです。
食の安全性や衛生面など、調理師免許に必要な知識は、どれもお客様に食を提供する上で
覚えておくべきものです。調理の腕を磨くことはもちろん、食の安全をはじめとする基礎
知識を頭に入れた上で調理をするためにも、まずは「調理師免許」を取得してみてくださ
い。
調理師免許は取得した後に、さらにステップアップができる資格はさまざまです。調理師
専門学校の講師になれたり、専門的な調理ができたりと、さらに活躍の場を広げることが
できるので、調理師免許を取得した方は、さらにハイレベルな資格を目指してみてはいか
がでしょうか。